AOPY の世界遺産訪問報告
 
















概要:
アゼルバイジャン共和国の首都・バクーの旧市街地。シルクロードの中継地として栄えた。現在は12世紀に建てられた内壁が残っている。シルヴァンシャー宮殿は14〜15世紀に建てられたモンゴルのハーン(王)の宮殿。乙女の望楼は12世紀に建てられた高さ28mの要塞。自分の父である王に言い寄られた娘が、嘆き悲しみこの鐘楼からカスピ海に身を投げたと言う伝説が残っている。





























































概要:
バクーから南西に60kmにある旧石器時代の遺跡。約6000点もの壁画が残っている。

















































































概要:
ギロカスタルはドリノ川に沿った町で、「クラ」と呼ばれる石造りの町並みで知られ、トルコ風の民家が建ち並んでいる。共産主義時代の代表的な指導者、エンベル・ホッジャとアルバニアを代表する小説家、イスマイル・カダレ生誕の地でもある。
ベラトはオスム川に面した小さな町で、2008年に世界遺産に追加登録された。


























































































































概要:
アルバニア南部、ギリシャとの国境に程近い古代遺跡。古代ローマの詩人ヴェルギリウスの「アエネイス」によると、トロイ戦争の後にこの地へ遁れてきたトロイの王、プリアモスの息子、ヘレノスによって建設された。ギリシャ、ローマ時代以前から、ビザンチン時代、中世の十字軍による攻撃、ベネチアの支配、近世のナポレオン時代のフランスによる支配、オスマン帝国による支配など2800年の歴史をもつ遺跡である。



















































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カスピ海からの風は異邦の薫り
バクー旧市街、シルヴァンシャー宮殿、及び乙女の望楼

★★★  2010年11月訪問

感想:
バクーとはペルシャ語で「風の街」と言う意味。城壁に囲まれた迷路のような旧市街地を歩いていますと、モスクやミナレット、出窓のあるトルコ風の古い民家、ペルシャ絨毯を売る露店などが並んでおり、時折吹きつけるカスピ海からの風が、ヨーロッパとは明らかに異なる情緒を運んでいるかのようでした。それもそのはず、この国はカフカス3カ国のなかで唯一のイスラム教国。古くはもう一つのシルクロードの要所として栄え、その後モンゴル人による統治など、ヨーロッパとアジアの文明の交差点として様々な民族が行き交った歴史を感じる事が出来ました。現在では油田の街として発展しており、立ち並ぶ朽ち果てそうな民家の屋根の後方に目をやりますと、建設中の巨大な高層ビル群が林立している光景が目に飛び込んできます。この絶妙なコントラストは、バクーの街を東西の文明の交差点としてだけではなく、過去と現在そして未来が交差する街として強くアピールしているかのようでした。
アクセス:イスタンブールから飛行機。
※2010年10月15日よりバクー国際空港でのビザ取得が不可能になりました。ビザ取得は事前に各国の
大使館で。

  
城門をくぐって旧市街地へ。                      乙女の望楼

  
深夜の旧市街地を徘徊。                       シルヴァンシャー宮殿

  
旧市街地と建設中の高層ビル。                   趣のある建物。

    
     カスピ海とバクーの夜景。


岩肌に描かれた先史時代の芸術

ゴブスタンのロックアートと文化的景観

★★  2010年11月訪問

感想:
バクー市内から車で約1時間、カスピ海を左手に望み、右手には荒涼とした岩山の大地が展開しています。その岩山を上っていきますと、先史時代の人々が岩肌に描いた絵が点在しています。様々な動物や人々の生活の様子など、絵画というより岩に刻まれた単純な図形のようですが、不思議と躍動感があり、石器時代の人々の感性に触れる事が出来ました。ガヴァルダシュと呼ばれる巨石は石で叩くと面白い音がし、当時の人々もこれを叩いて音楽や踊りを楽しんでいた事でしょう。
アクセス:バクー国際空港からタクシーをチャーター。
※アゼルバイジャンは厳密に言いますとヨーロッパではなく中東ですが紙面の都合上、こちらに掲載いたしました。ご了承下さい。

 このような荒涼とした山にありました。

 岩肌に刻まれたアート。

 ダンスをしているのでしょうか。

 彼らの痕跡がはっきりと残っていました。

 当時の人々の様子。





渓谷に張り付くように広がる白い町
ベラトとギロカスタルの歴史地区
★★★  2011年3月訪問
感想:
アルバニアはかつてオスマン帝国に支配されていた地域。トルコやイスラム文化の影響を強く受けています。この2つの世界遺産の町もトルコ風の民家が建ち並んでおり、歴史的な背景を垣間見る事が出来ます。双方ともなだらかな渓谷に展開しており、出窓のある白い家々が大変印象的です。ホテルやレストランなどもこの民家を改装したものが多く、ベラトで泊まったホテルはその典型的なもので、中庭やインテリアなども非常に趣があり、しかもとてもリーズナブルな宿泊費で滞在できました。日本ではギロカスタルの方が有名ですが、印象としては後から世界遺産に追加登録されたベラトの方が田舎にあり、コンパクトにまとまっていて、散策しやすかったです。ただし、同じような世界遺産としては本家トルコにある「サフランボル旧市街」が既に登録されており、似たような物件をわざわざ登録しなくてもよいのではと思いましたが・・・。
アクセス:ギロカスタルはオフリドからレンタカー。ベラトはサランダからレンタカー。
※レンタカーでの旅の様子は こちら


ホテルのバルコニーからギロカスタルの夜明けを望む。

  
ギロカスタル城からの眺め。                     幻想的な朝焼けの風景。


ギロカスタル城の時計塔。


ギロカスタル城とモスク。


夕闇迫るギロカスタルの町を徘徊・・・。


ここがメインストリートの十字路。


ベラトの町並み。
  
重なり合うようにして並ぶ白い家々。                ホテルの中庭にて。


ベラトの夜景。


ローマ建国の神話「アエネイス」にも登場する由緒ある遺跡
ブトリント
★★★  2011年3月訪問
感想:
かつては小さな島だったようですが、現在では一部が埋まってしまい陸続きになっています。紀元前8世紀には既に人が定住しており、紀元前4世紀にはアゴラや神殿などの建設もあったそうです。ローマ時代にはアウグストゥスにより東方支配の基地として町が整備され、公衆浴場や劇場なども建設されていたそうです。その後のベネチア時代の建物も残っており、長い歴史のなかで様々な民族が行き交った事を感じる事が出来ました。それだけ古い遺跡にもかかわらず、保存状態は意外に良好で、当時の繁栄振りを窺えます。島全体はゆっくり歩いて見学しても小一時間ぐらいで回れ、周辺ののどかな景観と共にゆっくりと堪能できます。この辺の地域はあまり人がいませんので大変静かで、しかも入り組んだ湾や対岸のなだらかな丘陵地域といい大変面白い地形をしています。またイオニア海に目をやりますと、すぐ間近にギリシャのケルキラ島が見えます。古代史に思いをはせながらゆっくりと散策するのには最適な場所ではないでしょうか。
アクセス:サランダからレンタカー。
※レンタカーでの旅の様子は こちら
  
ギリシャ、ローマ劇場                         ライオンと牛が戦っている彫刻。


洗礼堂跡


大聖堂跡


ベネチアの砦


この渡し船に乗って対岸の遺跡に行けます。


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