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フランス王家800年の歴史と共に歩んだ国内最大の宮殿
★★★ 2014年4月訪問
感想:
「のヨーロッパ世界遺産」と銘打っておきながらフランスの世界遺産が3件しかなかったので、今回はフランス北半分を精力的に周ってみました。今回は初めて母親と姉を連れて行きました。つまり、ママピーとアネピー同伴ですので、いつものようなあまり無茶な旅程も組めない・・・とは全然思わず、行きたいところはすべて行くといったいつもの旅でした。よく考えるとフランスはなんと21年ぶりで、やはり日本人からするとヨーロッパといえばフランスかイタリアなのでしょうが、僕といたしましては東欧のマニアックな国ばかり行っていましたので、世界遺産訪問としてはちょっと後回しになってしまった感じです。
さて、パリ~ヴェルサイユと周った後、このフォンテーヌブロー宮殿を訪れたわけですが、ヴェルサイユ宮殿を訪れた後、この宮殿を訪れると両者の違いがよく分かります。前者が一時的な絶対王政絶頂期の象徴として絢爛豪華な内装を施し、世に誇示していたのに対し、このフォンテーヌブローは豪華さよりも、ルネサンス様式を基調としながらも、歴代国王のそれぞの時代の流行を幾重にも重ねた味わいのようなものが感じられます。特に内装や細部の装飾に至っては、後に「フォンテーヌブロー様式」としてヨーロッパの宮廷文化に大きな影響を及ぼすことになります。服飾などに流行があるように、建築や内装さらには調度品などにもそれぞれ時代の流行があったということが確認できて、とても興味深い宮殿でした。
※フォンテーヌブロー宮殿の詳細につきましては、旅の随筆、「フランス北半分を走る!【3】」で。
こちら
アクセス:ヴェルサイユからレンタカー
鯉の池よりフォンテーヌブロー宮殿を望む。
宮殿正面部分。
2階吹き抜け部分。 木を基調とした回廊。
玉座と天井部分。 タペストリーを多用した寝室。
回廊の中心に地球儀が置いてありました。 気品に満ちたサロン。
ヴェルサイユ宮殿と比べてちょっとシックな感じです。
中世の人々の活気が今も息づく歴史都市
★★★ 2014年4月訪問
感想:
ヨーロッパには中世の街並みを売りにした小さな町がたくさんありますが、大体どれも戦後復興したもので、小奇麗なものばかりで面白味もありません。本当の中世の街並みなんて、ルーマニアの山奥にあるように薄汚く、道路も舗装されておらず、壊れかけた家々が立ち並んでいるもんです。ここも戦後復興したものなんでしょうが、他の町と違うところは、町の住人が年中様々な中世に関するイベントを催していて、中世に並々ならぬ思いを持っていることです。ここでは毎日、中世の街並みをバックに、野外での中世の物語の演劇をやっています。しかも1日に2~3本でそれぞれ違った出し物で、非常にやる気が感じられます。僕が訪れた時に鑑賞したのは、「騎士の伝説」と題した物語。上演時間は45分で、衣装からセット、はたまた馬やハトまで、なかなか本格的な一大スペクタクルといったもので、十分見ごたえがありました。もちろん演じていらっしゃるのはプロの俳優さんなのですが、手作りというか、とても心のこもったものでした。切符を売っていらっしゃる女性も中世の衣装を身に着けてたり、劇が終わって観客が帰るときも出演者一同お礼とお見送りをしたりと、大変好感が持てました。街歩きだけでなく、こんな心のこもった演劇を鑑賞することで、より立体的にヨーロッパの中世の人々の息吹を感じることができました。
※この旅の詳細につきましては、旅の随筆、「フランス北半分を走る!【3】」で。こちら
アクセス:フォンテーヌブローからレンタカー
城門をくぐって旧市街地へ。 町のシンボル、セザールの塔。
セザールの塔から中世の街並みを望む。
趣のある旧市街。
「騎士伝説」のワン・シーン。
王女様も優雅に乗馬をこなされます。
ここで中世の騎士登場。
悪魔との決闘シーン。
いろいろありましたが、大体はハッピーエンドです。
歴代フランス国王戴冠の地
ランスのノートルダム大聖堂、サン=レミ旧大修道院、及びトー宮殿 |
★★★ 2014年4月訪問
感想:
どんな国でもその国の原点と申しましょうか、コーナー・ストーンみたいな場所は1つか2つは必ずあります。日本でいうと出雲や奈良みたいな感じでしょうか。フランスの原点と言っては大袈裟ですが、少なくとも王制時代の心のよりどころと言えば、このランスの大聖堂を挙げることができるのではないでしょうか。何しろフランス王家の原点であるメロヴィング朝の開祖、クローヴィスが洗礼を受けカトリックに改宗した場所であり、その後の国王の戴冠式が行われるようになった場所であるからです。各時代ともこの地への思いは並々ならぬものがあったようで、とくに有名なのは15世紀のジャンヌ=ダルクでした。百年戦争のさなか、彼女はシャルル7世に一刻も早くこの地で戴冠を受け、正式な国王になるよう進言します。彼女は勇敢にも敵陣を突っ切って奇跡的にこの地へたどり着き、戴冠式を行わせたという有名な逸話により、彼女はカリスマ的な英雄になったのです。サン=レミ大聖堂はその洗礼を授けた聖レミの遺体を安置しているところで、こちらも大変神聖な場所です。僕が訪問した時はちょうど日曜日で結婚式が執り行われていたり、聖歌を歌う人々がいたりと、非常に神聖な雰囲気に包まれていました。ノートルダム大聖堂の隣にあるトー宮殿には戴冠式に用いられた王冠や宝飾品、司教が身にまとったマントや聖書など、はたまた巨大なタペストリーなどなど、普段ではお目にかかることのできない非常に貴重な品々を拝見することができましたので、この宝物館は必見です。
※この旅の詳細につきましては、旅の随筆、「フランス北半分を走る!【3】」で。こちら
アクセス:プロヴァンからレンタカー
ランス大聖堂西側正面(1475年完成)。現在は修復中。身廊部分は1275年完成。
東側バットレス(控え壁)部分。 西側ファサード入り口部分。
シュヴェ部分のエクステリア。
国王の戴冠式が行われていました。 シャガールによるステンドグラス。
北側のバラ窓(13世紀中頃)。 アプスのステンドグラス。
反対側のバラ窓。 ステンドグラスをアップで撮影してみました。
サン=レミ大聖堂(旧修道院)。 サン=レミ大聖堂内部。
サン=レミ大聖堂のバラ窓。
ノートルダム大聖堂の隣にあるトー宮殿(国立博物館)。
トー宮殿にある歴代フランス国王の戴冠式にまつわる宝物も数多く展示されていました。
王冠 巨大なペンダント。
タペストリーも見事でした。
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