AOPY の世界遺産訪問報告
 
















概要:
古代ローマ帝国が異民族の侵入を防ぐために建設した防衛線。世界遺産に登録されているのはイギリスの「ハドリアヌスの長城」、「アントニウスの長城」、及びドイツの「リーメス」で、2カ国で合同登録されている。
ドイツの「リーメス」は境界線の意味で、ゲルマン民族の侵入を防ぐため西暦83年時のローマ皇帝ドミティアヌスによって建設された防御壁である。ライン川河畔のラインプロールから、ドナウ川河畔のレーゲンスブルク近郊に至る約550kmの防御壁で、見張り塔や砦なども含んでいる。概ねライン川、マイン川及びドナウ川に沿って建設された.。
















































































































































































































概要:
ドイツ、ヘッセン州ダルムシュタット近郊メッセルという村付近にある化石発掘地域。新生代・古第三紀・始新世にあたる約4700万年前の動植物の化石が数多く発見され、現在も重要な考古学の研究対象として発掘が続けられている。自然世界遺産としてはドイツで最初に指定された。なお、化石発掘現場への個人での入場は禁止されている。


























































































































































































































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ヨーロッパ版「万里の長城」

ローマ帝国の国境線

★★★★  2017年6月訪問

感想:
それにしてもドイツ人ってとても合理的ですね。なにしろ「何とか街道」っていう観光コースをいくつも作って、観光やレジャーを体系化してしまうのですから。ざっと思い出してみると、日本人に一番有名な「ロマンティック街道」から始まって、「古城街道」、「メルヘン街道」、「アルペン街道」、「ファンタスティック街道」などなど、調べてみますとドイツには小さな自治体がやっているものも含めますと、何と80以上もの観光コースが存在しています。中には「アスパラガス街道」とか「ミルク街道」、「塩街道」とかなんじゃそりゃ?と言ったのものあります。その中の一つに「リーメス街道」というのがありますが、これは古代ローマ帝国が異民族のゲルマン人の侵入を防ぐために建設した防御壁をたどる街道です。「リーメス」は英語のリミット(限界)の語源になっています。よく考えたら自分たちの祖先を排除するために造られた城壁の残骸も観光コースにしてしまうぐらいですから、いやはやドイツ人ってすごいですね。いわばヨーロッパ版の「万里の長城」というわけですが、中国の万里の長城とは違い、城壁が残っているのはわずかです。概ねライン川の中部バート・ヘニンゲンから始まって南へネッカー川付近のロルヒまで、そこから東へおおよそドナウ川に沿ってレーゲンスブルクまで、約550kmの観光コースで、わずかに残った城壁の石垣と塔や櫓の遺跡、あるいは再建された物件を巡る観光街道です。従いましてこの世界遺産はドイツ南部を東西に移動するとどこかで遭遇する可能性のある物件ですが、いかんせん情報も少なく、遺跡も小さく見逃してしまう恐れがあります。今回僕が訪問したのはヴュルツブルクからメッセルに移動する途中に立ち寄った、グロースクロッツェンブルクという町にある遺跡です。この町はハーナウの南約5kmの地点にあり、マイン川に面しています。この場所に残っている遺跡はわずかでしたが、とりあえずその一部に触れることができましたので、とても有意義な訪問となりました。ちなみに今回は訪問できませんでしたが、リーメスの物件で最も有名で大きいものはフランクフルトの北10qの地点にある、ザールブルクの遺跡です。遺跡全体がテーマパークのようになっていますので、今度機会がありましたら訪問したいと思います。ところでどうでもいいことですが、リーメス街道と世界遺産の境界線は必ずしも一致していませんのでご注意を。例えば、リーメス街道の起点はバート・ヘニンゲンですが、世界遺産の遺跡はなく、世界遺産の境界線の城壁は隣町のラインブロールから始まります。リーメス街道の終点はレーゲンスブルクですが、境界線の城壁はレーゲンスブルクから約20q南西にあるノイシュタット・アン・デア・ドナウのドナウ川の地点で終わっています。またグロースクロッツェンブルクからマイン川上流のミルテンブルクまでリーメス街道は続いていますが、世界遺産の城壁遺跡はありません。まぁ、ほんと、どうでもいいことですが・・・。

アクセス:ヴュルツブルクからレンタカー。


見知らぬ町、マイン川沿いのグロースクロッツェンブルクにやって来ました。

  
期待感を高めるローマの城壁を示す標識。            こちらは城壁に関する博物館への標識。


駐車場の一角にあるローマ時代の城壁の跡。


こんな感じです。

  
近くに設置されたリーメスの解説の看板。世界遺産のマークがありましたので、間違いはありません。


ドイツ国内にあるローマ帝国の境界線を示す看板。これに沿って城壁があったそうです。

  
古代ローマ時代のゲルマン人の衣装。               こちらは兵隊さん。


古代ゲルマン人の生活の様子まで解説されていました。


これも城壁の跡。

  
その近くにある教会の土台の部分に城壁の跡がありました。(下の黒い丸くなった部分です。)

  
教会の土台のローマ遺跡を示す看板。               ローマ兵の衣装。


駐車場の前にある郷土博物館。ここに貴重なリーメスの資料があります。


危うくゴミ捨て場になりそうになった世界遺産

メッセル採掘場の化石発掘現場(メッセル・ピット化石地域)
★★★★   2017年6月訪問

感想:
突然ですが5000万年ほど前、ヨーロッパのこの地域は亜熱帯気候でワニなどの爬虫類が主人公でした。当時このメッセル一帯の地域は巨大な火山湖で、多種多様な動植物が育まれ、当時の動植物の化石が数多く発掘されています。もともとは油母頁岩(オイルシェール)の採掘現場でしたが、1971年に採掘が終了し、州政府によって跡地を産業廃棄物の投棄場とする計画が持ち上がりました。しかし考古学上の重要性から市民団体や学者たちによって反対運動が展開され、化石発掘場として保存・開発がされるようになり現在に至っているとのことです。訪れてみますと、発掘現場には博物館が併設されており、出土したおびただしい数の化石が詳しい解説とともに展示されていました。事前の情報が少なかったため、受付のスタッフにいろいろ聞いてみましたが、神経質そうな割には親切なお兄さんで好感が持てました。化石の種類も多種多様に渡り、哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類など、なかには原始のウマや小型の肉歯類(肉歯目)など、すでに絶滅した動物の化石も数多くありました。ネズミやカエルなど現在も存続している種も多くあり、現在と形が変わらないということは、彼らは少なくとも5000万年も生きながらえているわけで、それと比べると現在の人間なんて高々ほんの数万年ほどですので、あまり偉そうにもできないと感じました。博物館は一見ゲームセンターみたいな作りと色彩になっていて、難しい学術的な博物館の割には親しみやすく興味そそられるように工夫されていました。僕が訪問した時は小学生の団体が見学に来ていて、生徒の自由研究にはうってつけの場所となっていました。当時の様子や動植物の進化の仕組みなどもわかりやすく解説されていますので、大人も子供も楽しめて学べるとても有意義な博物館となっていました。また博物館の外に出てみますと、発掘現場の脇には物見台みたいなところがあって、発掘現場を一望できました。そこから現場を眺めてみますと、その大昔、ここにもうもうと噴煙を上げる火山があり、その周りに湖があって、先ほど見学した化石から様々な動植物が繁栄している光景を想像してみました。(ただし個人での発掘現場の立ち入りは禁止されていますので、団体ツアーでの事前申し込みが必要とのことです。)このメッセル化石発掘現場の博物館で太古の生物を気軽に見学でき、非常に貴重な時間を過ごすことができました。

アクセス:ヴュルツブルクからグロースクロッツェンブルク経由でレンタカー。

  
メッセル化石発掘現場の博物館の入り口。             のぼりには世界遺産のマークが。


化石の展示場。ゲーセンみたいな感じです。


ハイテクを駆使した展示。

  
4700万年前にタイムスリップ!?


詳しい解説とともに展示されていました。


これはワニ。


お〜!シーラカンスですか?なつかしい〜!


うわっ!これはコウモリの骨組み。骨格はヒトに似ていますね。


ちょっとユーモラスな格好ですね。

  
ウマの頭蓋骨の模型。                         これもウマの一種でしょうか?


これはすでに絶滅した哺乳動物、レスメソドンですかね?


おさわりOKだそうです。


ダーウィニウス・メシラエ。


これも絶滅した哺乳動物?原始のウマの一種?


ネズミ。現在とほとんど変わりませんね。


うひょ〜!これはカエルですね。


うわ〜!これはヘビですね。


この時代は恐竜はすでに絶滅しています。

  
発掘現場近くの物見台。                        物見台にあった当時の想像図。


物見台から発掘現場を望む。


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