AOPY の世界遺産訪問報告
 
















概要:
サクリ・モンティとは「聖なる山」の意味の複数形で、単数形はサクロ・モンテ。15世紀当時、聖地エルサレムはイスラム教徒の支配下にあったので、ヨーロッパの人々は聖地巡礼は不可能であった。サクリ・モンティはその聖地巡礼の代替のために15〜16世紀にかけて造営された。
ピエモンテ州とロンバルディア州に9カ所のサクリ・モンティが世界遺産に登録されている。山の上にある幾つもの小さな礼拝堂の内部に、聖書の一節が絵画や彫刻で描かれている。























































































































































































































































































































概要:
イタリア北西部、ピエモンテ州の中心都市トリノ市内とその周辺に点在するサヴォイア王家の王宮。サヴォイア家はイタリア統一運動(1815〜1871年)の原動力となり、後のイタリア王国(1861〜1946年)の国王を輩出した名門貴族。
世界遺産登録物件は市内中心部にある王宮、マダマ宮殿、カリニャーノ宮殿。郊外にはスペルガ聖堂、ストゥピニージ狩猟宮殿、ヴェナリーア王宮などがある。













































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聖なる山は小さなエルサレム
ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ

★★  2015年4月訪問
感想:
モンフェッラートのぶどう畑を後にして、夕方5時半ごろ次なる世界遺産、「ピエモンテ州とロンバルディアのサクリ・モンティ」を訪れました。この世界遺産はピエモンテ州とロンバルディア州に合計9カ所あり、もちろんすべてを訪問できませんので、ちょうどこのモンフェッラート地方のセッラルンガ・ディ・クレーアという小さな村のはずれに1件あるとのことで行ってみました。アスティから車で約30分、小高い山の上に大きな聖堂が見えました。街道から少しそれた山道を登ったところにありますので、とても静かで厳かな雰囲気に包まれていました。到着した時はすでに午後5時を過ぎていましたので、人も少なく、聖地巡礼にぴったりの状況でした。車で山を登ったところに駐車場があり、そこから少し歩いて行くと、先ほど見えた巨大なサンタマリア大聖堂が建っていました。16世紀に建てられたというローマン・バロック様式の美しい聖堂でした。普通ならこれで終わりですが、実は巡礼のための小さな礼拝堂はこの山のさらに上に20カ所以上もあったのです。事前情報が少なかったため、現地でやっと状況が呑み込めました。それらを徒歩で山道を周るのは結構体力が要りそうなので、どうしようかと迷っていると、すぐ上に小屋のような感じの礼拝堂らしき建物が見えましたので、とりあえず行ってみることに。小さな礼拝堂の中には入れませんが、鉄格子越しに中をのぞくと、それはそれは素晴らしい絵画と彫刻で、聖書の一節やワンシーンを表現していました。順番に見て周ると、どうやらイエス=キリストの生涯を表しているようでした。かなり素晴らしい内容なので、結局最後まで周り、元の場所に戻ってくるようになっていました。大急ぎで周るとだいたい1時間ぐらいでしょうか。最初は1カ所か2カ所見られればいいやと思っていましたが、何かにひきつけられるような感じで、どんどん先へ進んで行き、とても不思議な感覚でした。長い歴史の中で、本物の聖地エルサレムへ行くことのできない敬虔な信者の人々が、その代わりとしてこの場所で聖地巡礼を行ったという、神聖な雰囲気を感じることができました。
アクセス:ジェノヴァからアスティ、モンフェッラート経由でレンタカー


アスティからレンタカーで30分。クレーアの大聖堂が見えて来ました。

  
車を駐車場に止め、サンタマリア大聖堂へ。

  
大聖堂のファサードにはマリア様のフレスコ画が描かれていました。世界遺産であることを確認。

    
聖なる山の中に小さな礼拝堂がありました。   天井部分の装飾。

  
主に聖書の一節が描かれています。                            

  
このような小さな礼拝堂が山の中に20以上点在していましたが内部には入れません。

   
次なる礼拝堂は・・・。               彫刻とフレスコ画で立体的に描かれています。

    
これは受胎告知の様子でしょうか?        今まさにイエスが誕生しました。

  
イエスの生涯がそれぞれの小さな礼拝堂に、ワンシーンづつ描かれていました。


最後の晩餐の様子。

  
また礼拝堂を発見!                ローマ兵によるイエスへの拷問。

  
礼拝堂はいろいろな形状をしています。    茨の冠をつけさせられるイエス。


十字架を背負い、ゴルゴダの丘へ・・・。

  
イエスの処刑。

  
十字架から降ろされたイエス。                    イエスの昇天。

  
山頂にあるメインのチャペル、パラディーソ礼拝堂。内部の装飾。「携挙」の様子ですかね??

  
かなり緻密な造りになっており芸術的にも素晴らしいものでした。


元の場所に戻って来ました。パラデイーソ礼拝堂によく似た建物。これは巡礼者の宿泊施設かも??


周辺の風景もとても美しく、自然と一体となった「聖なる山」でした。


イタリア最大の名家、サヴォイア家の栄光の歴史を体感

サヴォイア王家の王宮群

★★   2015年4月訪問
感想:
クレーアのサクロ・モンテを午後6時半に出発し、7時半ごろトリノに到着。アパートメント・タイプの宿泊所にチェックインし、すぐに街歩きへ。もうすでに日が暮れていて、王宮あたりの建物はライトアップされて、とても良い雰囲気のあるたたずまいを見せていました。この街は、1861年から1946年までイタリア王国の国王を輩出したサヴォイア家の本拠地であり、19世紀のイタリア統一後、5年間ほど首都が置かれた街です。そのためかカスッテロ広場を中心に、とても気品ある建造物が立ち並んでいて、また、観光スポットも凝縮されていますので、とても散策しやすかったです。世界遺産登録物件も、王宮、マダマ宮殿、カリニャーノ宮殿と一度に訪れることができます。その他の世界遺産登録物件はトリノ郊外にあるということで、次の日いくつかの物件を訪れることにしました。朝8時半ごろトリノ市内の宿泊場所を出発し、スペルガ聖堂〜ストゥピニージ狩猟宮殿〜ヴェナリーアの王宮と、トリノ市街を一周するように訪問し、その後、ミラノへと移動しました。スペルガ聖堂はトリノ市内を見下ろす小高い山にあり、街と周辺の山々の絶景が見渡せました。18世紀の建造で、この地方を代表する大聖堂と言われ、地下にはサヴォイア家の墓所がありました。ストゥピニージ狩猟宮殿はトリノの南10kmのところにあり、まずその広大な敷地に威容を誇る宮殿の姿に圧倒されました。18世紀初頭の建築で、狩猟用とのことですが、森の中の大宮殿といった感じで、内部も別荘とは思えないほど煌びやかで豪華でした。またサヴォイア家の人々が使っていたと思われる調度品や、一族の肖像画など、大変興味深いものも展示されていました。最後のヴェナリーアの王宮は外観だけでしたが、ストゥピニージ狩猟宮殿とは対照的に、優雅で気品のあるたたずまいを見せていました。なんでも、ヴェルサイユ宮殿をモデルにしたそうです。イタリアの最も有名な大貴族である、サヴォイア家の数々の栄光に触れる大変有意義な訪問となりました。
アクセス:ジェノヴァからモンフェッラート経由でレンタカー


王宮。16〜17世紀建造。現在の姿は18世紀に完成したもの。


マダマ宮殿。14世紀に最初の建築が始まり、現在の姿は1718年、フィリッポ・ユヴァッラにより完成。


トリノの中心、カステッロ広場。左手はキアブレーゼ宮殿、右手が王宮。


いつものように美しくライトアップされていました。


王宮周辺はこのような気品のある建造物が立ち並んでいます。


山の上に立つ、サヴォイア家ゆかりのスペルガ聖堂。

  
壮麗なスペルガ聖堂内部。地下にはサヴォイア家一族の墓所があります。


天井部分。

  
右手にはパイプオルガン。                       壁に施された彫刻。


ストゥピニージ狩猟宮殿。ちょっと威圧感のある雰囲気ですね。

  
館内ではサヴォイア家の一族の肖像画が展示されていました。

      
宮殿の中へ入ると、可愛らしい王女様や王子様がお出迎え。

  
フレスコ画が施された内壁。


当時の狩猟の様子。

  
狩猟用の別荘とは思えないほど豪華なホール。巨大なシャンデリアが圧巻です。


フレスコ画も大変美しかったです。


各部屋には美しい絵画も・・・。


家具や調度品もとてもエレガント。


また出ました!天蓋のあるベッド。かなり派手ですね。(´・ω・`)

  
当時の宮殿には必ず東洋趣味の絵画があります。よっぽど珍しかっのでしょうね。


こちらもとてもエレガントな内装です。

  
隣にお風呂がありましたので、こちらはたぶん脱衣所ではないでしょうか。

  
壁には東洋風の絵が描かれており、西洋と東洋の見事な融合を見せています。



こちらはトリノの西側にある、ヴェナリーアの王宮。サヴォイア家の夏の別荘。


入り口部分。あまりに広大なので、チキ・トレインが運航していました。


こちらは先ほどの宮殿とは違って、優雅なたたずまい。


「栄光の中庭」と命名された王宮の出口部分。


聖ウンベルト教会。


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