AOPY の世界遺産訪問報告
                                                                ベラルーシ旅行記(3)
BACK  HOME  NEXT  旅の随筆表紙




レーニンとマクドナルド



  

 さて、僕とレーナさん、スヴェトラーナちゃん、ボリスさん夫妻、イリーナさん夫妻と息子さんの8人でミール城とネースヴィジまで行ってきました。とにかくこの国には観光地と言うものがありません。戦争で全て破壊されたのです。税関で観光と言うと一応怪しまれます。ミール城はこの国唯一の世界遺産です(現在では3つあります)。ミンスクから車で約2時間。一応、高速道路なのですが日本のような道路ではなく、いたるところに穴ボコがあいています。それをよけながら高速で走るのには結構運転技術が必要です。この国の高速道路にはサービスエリアは存在しません。道端に机が置いてあって、そこに4−5本ジュースが並べてあるだけです。もちろんジュースは生温かいです。みんなは道路わきに出て、野いちごのようなものを探し始めました。トイレ?そんなものは草むらに隠れて・・・。なんとものどかな風景なのですが、ここは一応高速道路であります。結構田舎にあるので、みんな東洋人が珍しいのか注目度は前例のない高さでした。突然イリーナさんの旦那さんが運転するルノーが故障をし、立ち往生をしてしまいました。彼が修理にあくせくしているとボリスさんはゲラゲラ笑いながら、「やっぱり車はロシア製に限るね。」などと言っています。ベラルーシ人はロシア信奉が驚くほど強いのです。 

 

ところで、この国には余りレストランと言うものがありません。外食する習慣がないのです。ミール城のある町にはレストランが1件だけしかありませんでした。しかも営業時間が短いのです。薄暗く殺風景な店内には客はいません。待つこと30分、やっと出てきたのはキャベツのかけら。首都のミンスクにはマクドナルドがあるのですが、みんなとてもおしゃれな格好で着飾って来ています。Tシャツにジーパンでレストランに入ると、周りから変な目で見られます。それだけ、外食は特別なことなのです。以前スヴェトラーナちゃんは一度でいいからマクドナルドに行きたいと言っていましたので、今度ミンスクに来たら連れて行ってあげると約束していました。レーナさんは「そんなところ行くもんじゃないわよ。」などと言っていましたが、彼女はちょっと真面目すぎるというか硬すぎるというか、はたまたアメリカ帝国主義に汚染されたくないのか・・・。この国の人たちにとって、マクドナルドで食事することはこの上ない贅沢なのです。

 ハンバーガーを食べながらふと窓の外を見ると、白いレーニン像が立っていました。この国にはいまだにレーニン像が存在しています。最近東欧ではめっきり見かけなくなりました。共産主義の残像のなかで、資本主義に乗り遅れたこの国にもアメリカの資本主義は確実に進出しています。これが自由の象徴なのでしょうか。レーニンとマクドナルド。強烈なコントラストです。
                       (ミンスクにて 2001年5月3日)



ミール城


ミール城内部にて


ミール郊外


ラジヴィールの館(ネースヴィジ)


白いレーニン像  まだあったのか!


                  BACK  HOME  NEXT  旅の随筆表紙              
inserted by FC2 system